「就活に失敗」は誰もが思うこと?人生終了じゃないから挽回しよう!

2023.4.24 (月)

キャリア

スゴキャリは自分に合った仕事を見つけて金曜の夜よりも毎週の月曜日が楽しみになる仕事の成果が上がり、年収も上がるこれらを実現するための転職コーチングです。

「就活に失敗した」という声をよく聞きます。あなたの周りでも、そういうふうにぼやいている人が多いのではないでしょうか。

でも「就活の失敗」って本当は何でしょうか?失敗の定義っていったい何?そして今、あなたが「失敗した」と思っているとしたら、それはどこが失敗なのでしょうか。

今後の人生でそれをどう取り返していくのか、あるいはどう活用していくのか、これらを考えていきましょう。

結論から先に言うと「就活に失敗はありません」。就活はキャリアの中ではスタートのほんの一部分にしか過ぎません。

それをもって一生の問題である「キャリア構築」から目を背けるのをやめましょう。

あなたが「就活の失敗」と思っていることは必ず取り返せます。

就活で失敗するのは当たり前?

キャリア用語に「トランジション」という言葉があります。これは「人生の転機」という意味で、人生の方向性が大きく変わるタイミングを意味します。

人生前半で最も大きなトランジションは「就職」だということが学問的に証明されています。

いわば今まで20年あまりを過ごしてきた価値観・考え方・行動のすべてが本質的に異質なことに取り組むことが「就活」であると解釈できると思います。

ある意味で「人生で初めて行うことを必ず成功させる」ことのほうが難しいと思いませんか?

大卒の新入社員が3年で三割辞めるという数字は、30年間変わっていません。

ということは、つまり1/3近くの人がいわば失敗しているわけです(ちなみに離婚の確率とほぼ同じ)。

同学年の3割の若者が必ず経験することを「失敗」と言い切っていいのでしょうか。そして残りの7割の方は就活が成功して、充実した人生を歩んでいると言えるのでしょうか?

また、日本の就業人口6,000万人のうち、毎年350万人が転職していると言われています。これは全体の5%以上です。

もちろん「失敗したから転職する」という考え方もあるでしょうし、更なるキャリアアップのために前向きな転職をする、という方もいると思います。

ただ日本の平均転職回数が2~3回、欧米では10回程度が当たり前という世界になり、これから人生100年時代のうち50年働くとして「ずっと同じ会社にいる」という可能性は非常に低いと思いませんか?

大企業のトヨタですら「終身雇用はもう不可能である」という立場をとっています。

というわけで、キャリアという人生の大きな流れにおいて「50年間働く」という視点でみれば、「就活に失敗した」という事柄、思い込みは実に小さなポイントにしか過ぎません。

では「就活に失敗した」と言っている人の「失敗の種類」を見ていきましょう。

業界選びの失敗

「入るまではこんな業界だとは思わなかった」という人がたくさんいます。業界によって特性はたくさんあります。

例えば土日に仕事が多い業界、構造的に海外取引が多いせいで深夜の残業が多くなる業界など、さまざまです。

そもそもその業界が存在するための「特性」を就活のときに調べきれなかった、あるいは想像できなかった、という時点で既に「失敗の根」はあるわけです。

例えばブライダル業界を目指す人が「土日は絶対休みたい」と思っていると、必ず矛盾しますよね。

このレベルで失敗したという人も世の中にはたくさんいます。こういう方がこのようなことが起きないようにしたとき、「業界の特性を見る」ことが大事になってきます。

業界特性、つまり「どこから何を仕入れて、どんな付加価値を付けてどういうお客様に(BtoB、BtoCを問わず)提供しているのか、という部分をしっかり見極めれば「失敗した」ということはなくなるでしょう。

例えば先ほども出たお休みの話でいうと、BtoB業界は土日はお休みをとっています。しかしBtoCのお仕事は「何らかの意味で」お客様は休日も常に動いています。これは少し考えてみたり、調べてみたりしたらすぐわかることです。

そういう意味で、その業界の特性を見極めることが次の失敗を防ぐことになります。

企業選びの失敗

何気なく出会った企業との就活が順調にいき、内定をもらいその会社に入ったとします。

ただその企業が、例えば業界で非常に下位の立場である、あるいは業界内での業績が悪かった、ということも多々あります。

この状態になると、同じ業界なので大体同じようなものを扱い、同じような商行動をしているのに待遇が悪かったり、労働条件が厳しかったり、あるいは社会的な評価が低いということになります。

つまり業界の中でのその企業の地位という、大事なことをちゃんと調べていなかったということになります。

一般論になりますが、ここ10年ほど「同業界の企業を複数受ける」というエントリーの仕方をする学生がめっきり減った、ということをどこの人事担当者さんも言っています。

これまではまず業界を決めて、そこの1位から順に片っ端から受けていく、というような戦略がごく当たり前に行われていました。

そうすると業界に対する理解も進みますし、各社が業界の中でどのような特徴を持ち、どのような弱み・強みを持って競合と戦っているかが分かるので、それを知って入社する、ということになります。

しかし、最近は同業界の会社をあまり受けない人が増えているので、その業界全体や企業に関する理解が少ないまま入社することが非常に多くなっています。

そうすると、当然ですが事前知識が少ないのでギャップが大きくなり、「思っていたのと違う」という考え方になり、「就活の失敗」という言葉につながっていく、と考えられます。

職種(配属)の失敗

・せっかく希望の会社に入ったのに思っていた職種ではなかった
・まったく希望しない部署に配属になってしまった

こうした理由で「就活の失敗」と嘆いている方もたくさんいます。

その場合の対処なのですが、少し昭和っぽく聞こえるかもしれませんが「そこで3年間頑張ってみる」ことをぜひおすすめします(精神的なダメージがあるようなら、通院対処をおすすめします)。

原則的に申し上げると、今失敗と思っているあなたのその職種が存在したということを、学生時代の就職時に理解していたでしょうか?

または言葉では知っていても、どんな環境でどんな仕事をするのかイメージできていましたか?学生さんの頭の中にある「職種業種」は「営業」や「企画・マーケティング」、あるいは目の前でよく見る採用人事の方々、そのぐらいではないでしょうか。

実は会社の中にはもっといろいろな部門があり、さまざまな役割を補完しあって組織体として成り立っています。

そして、皆さんが目指すことが多い大企業になればなるほど、さまざまな職種、配属先、種類はさておき配属地域まで変わるようなことがたくさんあります。

それをもって「就活の失敗」としてしまうのはいかがなものでしょうか?

おそらく配属面談や性格適性テストを受けたと思います。この20年の適性テストの精度は非常に高度化しており、その結果には目覚しいものがあります(ビッグデータとAI技術のおかげです)。

原則的には今、企業は「配属希望を聞くけれどもその通りになるとは限らない」というスタンスになっていますが、落ち着いて考えてみましょう。

せっかく採用に一人あたり何百万円もかけて年間報酬を払う人材を、まったく不適合な場所に配属するでしょうか?

ありとあらゆる配属部署には存在理由があり、必要とされているから会社は機能しています。

またそこに何らかの適性があるから配属されたと考えればよいかと思います。

また、一つのことを3年間やり切ったという経験は、のちのちのキャリアとして非常に役に立つことであるのは間違いありません。

筆者のおすすめは、もし希望しない部署の配属になったら、そこの配属のうちにそこの部署で必要な資格を取ってしまうことです。

資格は一生ものです。自分が興味がない部署でも、毎日専門用語を耳にして、それらの分野のプロである先輩方が教えてくれるので、独学よりも遥かに早くその資格を手に入れることができます。

例えば経理部に配属されたとしたら簿記の資格は取れるでしょうし、あるいは営業がやりたかったけれども人事になってしまったという場合ではキャリアコンサルタントの資格を取るのも非常に将来的に有効な時間の使い方だと思います。

結局自分のお金で立場と時間をどんなふうに最大有効化するか、ということが「就活が失敗したかどうか」の本当の分岐点になると思います。

希望の部署に配属されてもできることはある

ある商社に就職したものの、思いがけず税務部に配属されてしまった方がいました。

本人は海外に駐在して海外でバリバリ営業することを夢見ていたのですが、まったく無関係な部署に配属されてしまったわけです。

そこで彼女が何をやったかというと、自分が取り組みたい海外事業部に配属された同期に連絡を取り、その部署で宴会があるときには「役員クラスが来るときは絶対呼んでくれ」と言い、自分の部門の仕事を済ませあと、夜遅くなろうと二次会だろうと駆けつけて、その責任者に「自分がいかに海外で活躍したいか」をアピールし続けたそうです。

そして次の配転のときに見事に希望部署に配属され、現在もそこで活躍しています。そこの社内ではこのような文化が当たり前、とされています。

「社内営業」と聞くと非常にネガティブに聞こえるかもしれません。

しかし「社内の人間にアピールできない人間が社外に出て知らない会社にアピールできるであろうか」という極めて真っ当な仮説の上に、その会社風土が出来上がっているそうです。

職場環境の失敗

職場のメンバーがあまりにも異質で気が合わないということをもって「就活の失敗」と嘆いている人もいますが、これは人間的あるいはスキル的な能力も含めての話です。

まず上司との関係に悩む人が大変多いです。簡単に言うと、サラリーマン生活で一番選べないものは上司です。そのため「気が合う上司と楽しく仕事ができることのほうが珍しい」と考えたほうがよいでしょう。

本当は、上司先輩には新入社員を教育研修するという職務は含まれていないのです(今流行のジョブ型採用)。

先述したように、人生の一番の転機(トランジション)に自分の命令系統の上に立つ人間が自分で選べて、かつ自分に適合しているという場合があるでしょうか?むしろそのほうが少ないと思ったほうがよいと思います。

上司の方々の経験判断基準は、新入社員とまったく違います。その中で理不尽と考えることもたくさんあると思いますが、一度は言われたことを取り組んでやってやりきるということを試してみましょう。ある種のチャレンジとトレーニングと考えていただければいいかと思います。

上司にもいろんなタイプがいます。途中経過を求める上司もいますし、完全に出来上がってから提出して欲しいという上司もいます。プロセスを重視するタイプもいますし、結果しか見てくれない方もいます。

これは「自分と合わない上司とどううまくやるか」という大人のトレーニングと考えたほうが、精神衛生的によいと思います。

というのは、これからの人生お客さんであろうとほかの社内の人間であろうと、さまざまな人間関係を作るときに、タイプの合う方ばかりとしか仕事をしても「あなたの人生があんまり広がらない」からです。

人生の先輩方はよく「サラリーマンの生活として気が合わない人、気が合わないお客さんとお仕事しなさい」と言います。令和になっても一定の価値はある言葉だと思われます。

配属先が営業はむしろチャンス

営業職を避けたい志望先に真っ先にあげる学生さんが非常に増えています。

確かに営業という仕事はシビアな面もあります。そして営業マン自体は減っています。これはAI技術インターネットテクノロジーのおかげで、営業のある部分が置き換わっているということで数値的に表現されています(参考図書「営業はいらない」三戸政和氏著)。

ただ、営業という仕事がお客様と自社の商品について一番詳しくなるということはまったく変わりません。

30歳以上になって転職を考えるときに「営業経験あり」という但し書きをつけている募集が非常に多いです。

ちなみに筆者は32歳ではじめて営業という世界に飛び込みましたが「これはもっと早く経験しておいたほうがよかったな」と思っています。

営業という仕事は社内社外を問わず、社会的なやり取りの「最も基本的な部分」を徹底的にトレーニングされるので、その後ありとあらゆるビジネスのスキルにつながってくるものです。

そのため、もし希望していなくても営業という職種に配属されたら、ここは一つチャンスと思って頑張ってみることが将来の道を大きく広げることにつながります。

よく営業が嫌だという理由の中に「数字に追われることが嫌だ」と言う人が多いですが、どんな仕事でも決められた時間の間に決められたことをこなす、とある意味数字でしばられています。

そして例えば営業目標にしても、非現実的なことを掲げるような会社は少なくなってきました。達成できない営業マンがほとんどである営業部をつくって、モチベーションを下げても仕方がないからです。

また営業というと、テレアポを中心とした新規営業のイメージが強いと思われがちですが、多くの会社は既存の売り上げの比率のほうが遥かに多いことがほとんどなのです。

どうしても学生時代の「営業のイメージ」ということに対してはBtoC営業イメージが強く感じられるようですが(営業スマイル・過剰なノルマなど)これもBtoBの営業になると、お付き合いする期間、金額、提案のレベルが全然変わってきます。

そしてよく企画・マーケティングをやりたいという学生さんもたくさんいらっしゃいますが、企画マーケティングに関する知識はまったくない営業マンは現在では通用しません。

そのため、営業マンとして鍛えられるということは、将来企画マーケティングのお仕事をするための非常に素晴らしいトレーニングという言い方はほぼ間違いがないと思います。

営業に配属されたら「就活の失敗」と考えることがいかにもったいないかわかりますね。

行動量の失敗

「就活が失敗」したという方の中で、実は一番多いのがこの行動量の問題なのです。

トランジションの話を出しましたが、人生前半において自分で決められるトランジションと言うと「大学受験」やあるいは「就職活動」の2つぐらいしか大きなものはありませんよね。

その就職活動のところで非常に消極的にしか行動できなかった人がたくさんいます。例えばスタートが遅い、エントリー数が少ないなどです。

不思議な実態なのですが、いわゆる上位校ほど早く動き出し、何社も受けて何社も落ちるというような行動量を見せる学生が多くいます。行動量イコールトレーニング量になるので、結局すべてのスキルが上がり、最終的には志望度の高い会社に出会えるということがあります。

ここで気をつけたいのは「就職活動を始めたときの第一志望」と、「本当の第一志望」はまったく違うということです。

就職活動を始めるとき、あるいはその前の第一希望はいわば「初恋の人」レベルと考えて構いません。そして実際、初恋の人と結婚できる人の数が極めて少ないのは皆さんご存じだと思います。

本当の第一志望に入れたという方々の行動は、たくさん企業・業界を受け、その中で合格したり落ちたりしながら、さまざまなスキルを溜め込み情報を得て、その中で最終的に面接に残った4~5社の中から第一志望が決まる。この形が一番真っ当な第一志望の決まり方です。

そしてこの場合ですと、例えば第二志望の企業に行っても、納得内定なのでその後の社会人生活も順調にスタートが切れる、といったケースが非常に多く見られます。

こうした理由で「行動量が少ない」ことは、就活においてはまったくおすすめできない方法です。「忙しい」「時間がない」はまったく理由になりません。

時間をつくるやり方、あるいはその物事の進め方自体が、ビジネスの世界に入ってからのトレーニングにつながっているからです。

判断の失敗

上記を含めての結果になりますが、すべての局面において「判断の失敗」ということがありえます。

この判断の失敗はトランジションの大きさから考えると当然か、と思われます、全員初心者スタートですからね。まず自分で選べる判断としてどの業界を目指すかということがあると思います。

この記事を読んでいる方は主に20代から30代の方だと思いますが、皆さんが現役の間に日本の人口は1億人を割ります。

ということは、ビジネスモデルとして日本人が減ると売上が下がるモデルは必ず苦戦していく形になります。

ちなみに筆者が就活生におすすめしている基準は、以下の通りです。

・人口が減っても利益が残るモデル
・海外売上比率が50%以上
・2倍の売上するのに従業員が2倍いらない

これは今の日本の状態を考えると、ごく当り前のことだと思います。

新卒就活時は初任給がほとんどどこの会社も同じです。(今、違う傾向が出てきてることは大変良いことと考えます)

ということは、社会への入口の時点でもらえる給料はすべて一緒に見えてしまう、というところが大問題だといえます。

人生で一番お金がかかるのは40代50代です。そのときの給料を明示している会社はほとんどありません。

筆者の知人に、新人時代、40代後半の課長に給料明細を見せられ「君はまだ若いから転職できるんだぞ」と言われて転職した人もいます。

例えば就職四季報には平均年収だとか、30歳での平均年収と言うところが記載されています。その中でも大きな差があります。

またオープンワークなど、ネットには口コミサイトもたくさんあるので、収入が多く必要であるときにいくら年収があるのかをリサーチしておくと、その時点での「就活の失敗」は防げる可能性が高いと思われます。

突き詰めていうと、ビジネスモデルに対する判断、その業界を取り巻く状況の判断が「就活の失敗」の元になっている可能性があります。

失敗と感じる就活の構造

なぜこんなに多くの人が「就活を失敗」したと考え、就職した人の3割までが3年で離職してしまうのでしょうか。それを解明するには、現在の就職活動の仕組みを理解することが大事です。

先ほども述べましたが、これからの時代、転職回数が複数回になるキャリアは当たり前だと思われます。しかし現在の新卒の求人は「終身雇用をしますよ、定年まで働いてくださいね」ということが前提になっています。

企業の会社説明会でもその前提でいろんな説明、キャリアプランの話が出るでしょう。しかし、そもそも3年で3割がやめて、半数以上の人が転職を考えているという社会で「終身雇用前提」の条件だけで「この会社に入社を決める」ということ自体に無理があります。

また、新卒採用のときに学生側に与えられる情報は、明らかに実際とは異なったものが多く見られます。例えば完全週休2日と謳っていても、月に1回土曜日の会議があったりなど、ごく当たり前に行われています。

「どこの会社もよく見えてしまう」という方がいますが、それはある意味当然で、どこの会社さんも自分の有利なことしか言いません。

そして社会を知らない皆さんがその裏の意味を知ったり、メリットがあれば当然デメリットがある、というようなことを裏読みすることは実際不可能かと思われます。(知らなかったことを許容するかは別問題として)

ある大会社の人事の方が言っていた「全部本当のことを言ったら、入社人数は半分以下になるだろう」という言葉が非常に印象に残っています。

つまり、入社する以前に知っている情報は非常に限定的である、ということです。

社会的常識の初歩の欠落という問題もあります。給与明細を初めて見たときに社会保険料を引かれていることを「ぼったくり」と言っていた新入社員がいましたが、これはいささか世間知らずの度が過ぎると思います。

社会保険は自分の身を守るものでありますし、所得税はまさしく社会貢献に使われているものなので、正社員として「働く形態としてとして一番望ましい」というまさに象徴的な部分であると思われます。

気づいていない方も多いのですが、社会保険のうち例えば雇用保険は皆さんが支払った額と同額を会社が負担しています。

つまり自分が払ってると思っている額より2倍になるように会社が助けて、国に払うという仕組みになっているのです。

ただ、理由のない減額だとか、本来つくべき残業代が支給されていないといったこともありうるので、給与明細の見方をしっかり勉強しておくことは自分の身を守ることにもなります。

これを含め、就業規則はしっかり読んでおきましょう。また「サービス残業ではないか」と疑われるような状況が起こった場合、タイムカードを必ずコピーして持っておきましょう。従業員側の最大の武器になります。

逆に言えば、タイムカードを強制的に就業時間内に押させたのちに業務を続けている、というような状態があったり、そもそもタイムカードがなく別のノートやシステムにだけ入れる、などのようなことをやっている場合、サービス残業の疑いが強くなります。

実際の判例にあることですが、例えば9時が始業の場合8時50分からのラジオ体操は業務として行われているという判定を受け、残業代を支給せよという判定が出たことがあります。

ホワイト企業・ブラック企業の問題も非常に多いですが、いずれにせよ働く側の立場のほうが弱いので、自己防衛できるように心がけておきましょう。

そもそも就活で成功した人は少ない?

この記事は「就活の失敗」を話題にしていますが、逆に皆さんにとって「就活の成功」とはいったい何でしょう?言語化されて判定できるようになっているでしょうか。

キャリア相談時のアンケートの点数は……?

筆者はキャリアの相談に乗るときに、次の質問を必ずしています。

・現在の仕事内容の満足度
・それに対する給料の満足度
・周囲の人間関係の満足度

これをそれぞれ10点、計30点満点で答えてもらっています。

誰しも知っていて憧れるような優良企業でも、このアンケートをとると25点以上は滅多に出ません。むしろ30点だと洗脳されている可能性も考えられ、逆に危険だと思われます。

平均的に20から25点で働いている方は、非常に充実した社会人生活を送っているといえます。

極端ですが、30点満点で10点以下だと病んでしまう可能性が高いので、いち早く離職または転職を考えたほうがよいでしょう。

ではいったい「就活の成功」とはどういうことをいうのでしょうか。入社一年目からリモートワークで3日だけ働いて年収1,000万でしょうか。それは絶対ありえませんよね。

では何をもって就活に成功とするのか、逆に言うと「自分が納得できるキャリアプランの初期の形をどう作っていくのか」が問題だと思います。

就活の成功についてですが、100%思った通りの社会人生活を送っている人は0%なのではないでしょうか。

先ほど挙げた失敗の種類のうち、どれかには当てはまるのではないでしょうか。それをどれだけ妥協できるか、プラスに変えるか、理不尽と思って自分のストレスにするのか、そこが自分の対処の仕方の重要なジャッジポイントだと考えます。

思い通りにキャリアを成功させた人はわずか2割

キャリア自体を学問にしたクランボルツという学者がいます。彼は10万人余りのぐらいの成功したビジネスマンのキャリアをリサーチしましたが、自分で計画を立て、思うように自分のキャリアを成功させた人は2割しかいないそうです。

つまり「このような仕事をするため」に「このような資格を取り」その資格を取って自分の望むお仕事に入職しそこでビジネスを成功させている、という方は2割ぐらいしかいない。

ではほかの8割の方はどうなっているのかですが、「偶発性」よるものが多いとクランボルツは言っています。

例えば「奥さんの実家の町工場を手伝ったら大ブレークして上場した!」などといったお話です。クランボルツはこの理論を「プランドハップンスタンス理論」と名付けています。

そして「ただ待っているだけ」ではこの成功は訪れず、5つの特性を持っていると、偶発によるのシチュエーションが起こったときに、良い方向に自分の人生を導けると結論付けています。

その5つの特性とは、以下の通りです。

・冒険心
・好奇心
・持続性
・楽観性
・探究心

日々の仕事に前向きに取り組んでいくとチャンスが起こったときにつかむことができるというふうに筆者は理解しています。

さて「就活が失敗」したとぼやいている皆さんは、就活の時期にこの5つの特性を余すことなく発揮したでしょうか。

これはある大手証券で行われた調査なのですが、実績を上げているビジネスパーソンにインタビューした結果、唯一共通していたのが「最初の上司が良かった」だったのだそうです。

これこそまさにプランド・ハップンスタンスセオリーではないでしょうか。自分の上司は選べないですからね。

筆者の個人的な定義による「就活の成功」ですが、毎日職場に行く気になり、心底嫌いでないことに取り組み、正当な報酬を得て、充実した私生活を送ることができれば、ある程度充実した生活といえるのではないでしょうか。

ですので、就活が満点かどうかより納得内定、納得就職であるかどうかのほうが問題ですし、それが長いキャリアのスタートとして適しているかどうかの問題だと思います。

就活に失敗しても人生終了じゃない!

それでも「就活で失敗した」と思い込んでる人はそこで人生が終了なのでしょうか?

そんなことは絶対ありません。仮に失敗だと思ったとしても取り戻す方法は山ほどあります。

簡単に言えば、転職でいくらでも就活の失敗を取り返すことができます。

そもそも「失敗した」と思いながら5年10年20年働き続けるのは、モチベーションが上がらないですよね。転職という素晴らしいシステムがあるので、これを利用しない手はありません。

まず「就活を失敗」したと思ってから退職するまでのタイミングは、以下の3通りが考えられます。

①1ヶ月以内
・②1年以内
・③3年

この中で一番おすすめなのは③の3年、次が①1ヶ月以内、避けたいのが②1年以内です。

入った瞬間に「これダメだ」と思うときもあるかもしれません。それならば社会保険の手続きが手続きが進まないうちに即辞表を出し、転職活動を始めるやり方もありだと思います。

なぜ社会保険の手続きが済まないうちのほうがよいかというと、社会保険の手続きが進むと正社員の履歴が年金機構に残るためです。

これは次の会社に行って、そこの会社の労務担当者が手続きに行けばすぐ分かることです。就労期間が短いとそれを恥ずかしいと感じ書かない人がいるようですが、履歴書に事実と異なる記入をしたという公文書偽造になってしまいます(私文書偽造ですらありません)。

そのため、本当にまったく可能性が感じられないとしたら、即時やめるというやり方は実は次善の策としてはありなのです。

おすすめするのは丸3年過ごした後の転職活動です。これは転職経験者全員が述懐していることですが、転職サイトに登録していて、丸3年が立った瞬間からオファー企業からのオファーのレベル、会社名の知名度、待遇などがまったく変わってしまうのです。これは事実です。

つまり3年間の社会人生活でもうトレーニングが出来上がっていて、基礎的な能力はもうついているので、新入社員教育は必要ではない、と企業は考えるのです。

企業側のメリットもありますが、なんにせよ「3年間やり遂げた」ということであれば、次何か別のことに取り組んでも「ある程度の成果が出るまで頑張るであろう」といった予測のもとにこのような状況が生まれていると考えられます。

このタイミングを上手に使ってステップアップしてる人は非常に多いです。また、この記事を読んでいる方の中でも、早期退職3年以内で早期退職をした人がいるかもしれません。

ナビのシステムも変わってきていて、以前までは卒業年度しか登録できなかったのですが、卒後3年分までは正式に登録できるようになりました。

また新卒向けの企業説明会等で「既卒」に丸がついていたら平然とそこに行って話を聞いてもいい、ということになります。

そのため、転職と新卒の就職活動が非常に近いものになってきているといえるでしょう。

これは「卒業3年までは新卒扱いしなさい」という政府の動きと連動しているので、何らかの力学がはたらいていると考えてもよいかと思います。

転職でいくらでも挽回可能!

先ほど仕事に対する満足度を3つの観点からお伝えしましたが、もし転職すると決めたときに、自分はその3つのうち何を重要視するのかを考えたほうがよいと思います。

単純に年収の問題なのか、仕事の内容を変えたいのか、あるいは働く環境を変えたいのか。ここがぶれていると転職活動もうまくいきません。

また最近は転職面接も珍しくなくなっているので、面接官も転職理由や退職理由については非常に深く聞く場合が多いです。というのは、せっかく中途採用してもすぐ辞められては、その会社も損になるからです。

今、厳密に言うと転職理由には2つあると言われています。それは「後ろ向きな理由」と「前向きな理由」の2つです。

後ろ向きな理由は「これこれが嫌だから前の会社を辞めました」など、何らかの意味で良くないことがあるので、前の会社が辞めますよねと言うことをどうまとめていくか。ただ単純に「嫌いだった」ということでは採用されにくい、ということは予想がつくと思います。

「前向きな転職理由」としては、そういう状況を脱して、自分がどういうふうに進んでどういうふうな道に進んで、どんなスキルを身につけどのようなキャリアアップを図っていきたいか、その目的と転職志望先のニーズが合致すれば、転職がうまくいく可能性があります。

ここで気をつけたいのは、転職者の皆さんの多くは「自分は○○の能力があるのでこの仕事がしたい」と履歴書に書いたり、面接で語ったりしてるのですが、そうではなく「自分の持ってる能力がいかにその会社に役に立つのか、その会社のメリットになるのか」という相手目線のメリットデメリットを伝えることです。

極端に言うと主導権は企業側にあります。企業は皆さんの満足を提供するために仕事を与えているわけではありません。会社全体で利益を上げ社会に貢献し、社員株主に貢献するために仕事をしています。

そのため、自分が志望先のメリットにいかに貢献できるかを把握しておくことが非常に大事になります。

学歴、人脈で悩んでいる方へ

「就職が失敗したのは学歴のせいだ」と考える人も多くいます。そういう方々への対策をお伝えします。

学歴は社会人になってからでも作ることができます。

社会保険の中に雇用保険があり、雇用保険を3年以上納めていると特別教育給付金が国から支給されます。これはキャリアアップに必要な習い事、スクールなどに通ったら、そのうち3割から5割国が負担してくれる制度です。

例えば英会話教室あるいは簿記の夜間のコースなどにも適用されます。実はこの制度は社会人大学院に適用されます。

3年以上の経歴実務経歴があれば、それに関する事柄なら小論文や面接程度で社会人大学院に入れることが非常に多いです。説明会をぜひ聞きに行ってみてください。

というわけで、実は大学を卒業しなくても大学院卒のタイトルを手に入れることができます。

やはり履歴書に「大学院卒」とあるとイメージが変わりますよね。なのでこの制度を使わない手はないと思います。

通学も社会人向けに週末夕方、あるいは通信教育がメインでスクリーニングが数回というようなコースを用意している大学がたくさんあります。

学歴で悩んでいる場合は、ぜひこの制度を使ってブラッシュアップを視野に入れるといいでしょう。

ビジネス志向の強い方は、MBA(経営学修士)を目指す方もたくさんいますよね。

確かにMBAというタイトルを得ることもメリットですが、さまざまな業界・企業、経営者の皆さんなど、意識の高い人と知り合うことによって、ほかの業界の情報や外には出ない情報を得ることがたくさんできます。つまり、何ごとに代えられない人脈が得られることもメリットなのです。

「リファラル採用」と言って知人をスカウトしてくるという採用手法が日本でもかなり増えてきましたが、そのために有名企業あるいは優良優良企業のMBAホルダーを仲間にする、ということは決して悪い方法ではありません。

何より「何事かを何も学ぶ」という意欲を見せることができます。

社会人になって学ぶということの別の側面なのですが、リカレント教育あるいはリスキリングというようなことが今世間で言われています。

つまり働いている限りずっとインプットし続けて、結果としてアウトプットを出して成果をあげる、ということが必然な世の中になってきています。

資格にせよ社会人大学院にせよ、何事かを成し遂げて成長を得ようとして努力した、という証拠が履歴書に残ります。これも差別化キャリアアップのためには非常に有効な手段です。

例えば就活が成功したと思って、その会社にしがみつくだけの40代50代に皆さんはなりたいでしょうか?そうではないですよね。

だとすれば、このように戦略的にキャリアアップ、あるいは履歴書のブラッシュアップをし、より自分の市場価値を高めるという考え方はこれから必然になるのではないでしょうか。

転職を考えるべきとき

先述した3つの観点以外に職を考えたほうがよい場合を挙げておきます。

例えば1年間働いたとして、自分にどんなスキルが身についたかなと考えてみてください。またこの1年間でどれだけ自分のスキルが上がったのか、あるいは責任裁量範囲が増えたのかを考えてみてください。

まったく変化がないとすれば、それは非常に危険な兆候です。スキルや裁量範囲が同じままで給料が上がっていかない、ということを暗示する出来事です。

そして自分より5歳~10歳年齢が上の方の働き方や待遇を見てください。例えばあなたの周囲30人の中に40代の方がいたとして、全員500万に届いていなければ、これから10年20年働いても500万を超えないということになります。

手取り年収が少なくても、そんなに困らない独身時代は考えなくてもいいかもしれませんが、家族を持ったり資産を持ったりしようとしたと瞬間にこのような問題が沸き起こってきます。

そのときになってから転職を考えてももう遅いのです。そのため、身の回りに目標の年齢目標額がいない環境は転職を考えたほうがよいかもしれません。

キャリアアップとして転職がベストであるとは限らないのですが、自分自身のモチベーション、体力、余力、また世間の景気の状況、好調な業界好調でない業界、また会社自体の成長角度によって人材のいわばハマり方はさまざまです。

一つの会社に今在籍しているというだけで「就活が失敗」したとジャッジする考え方は、あまり建設的ではないと思われます。

ここまで読んで、少しでも就活が失敗したというような思いがまだ残っている方は、キャリアカウンセリングを一度受けてみることをおすすめします。

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